宝石の国13巻を読んだ

読書メモ
宝石の国 - 市川春子 / 第一話 フォスフォフィライト | コミックDAYS
「この星には、かつて“にんげん”という動物がいたという」――今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与え...

ようやく最終巻を読みました。
無料公開されていたときに一通り読んでいたのですが
読み返し、何度も読み返して、特装版の詩集も読んで
アニメも無料公開になったので見返してようやく落ち着きました。

『宝石の国』TVアニメ全12話が本日よりYouTubeにて期間限定で配信決定。かつて人間がいたとされる地球を舞台に、宝石たちと謎の敵「月人」との戦いを美しく描くアクションファンタジー
かつて人間がいたとされる地球を舞台に、宝石たちと謎の敵「月人」との戦いを美しく描くアクションファンタジー。11月21日にコミックス最終巻である第13巻が発売されている

ネタバレあり感想

仏教モチーフで展開が地獄(二重の意味で)という感想をよく見ますが
最後まで読んで思ったのは、それを踏まえたうえで「人の一生の話」なんだな、ということでした。
(それを説いているのが宗教なんだろうけども)

最後、太陽が熱くなって脱出する際に
兄機が拾い上げて行った、あの、ひとかけらが「フォスフォフィライト」そのものなんだけど、あれは人で言う「魂」とか「信念」、「本質」といったものなんだろうな。

魂、というと作中では月人を指しているんだけど
そうじゃなくて、そのものの「あるべき姿」なんだと思う。

どれだけいろんなものを取り込んで姿が変わり
いろんなことが出来るようになっていっても
それを全部取り除いて、最後に残るもの、それがあの欠片なんだと思います。

それを思うと、作中は人の一生のようだ。
全身がフォスフォフィライトだけだった純粋な時間(生まれたての無垢)
足を付け替えて早く走れるようになる(成長期)
手を付け替えて戦えるようになる(成長期その2)
頭を挿げ替えていろんな考えを取り入れるようになり(体の成長が終わる?)
目を入れ替えて違う見方が出来るようになり(周りを見るように?)
一回みんな壊れて220年休んで(大きな挫折?)
最後に異なるもの(水銀と金剛先生の眼)を取り込んで思考が更に変わる。

それでなんでも出来るようになっても、最初の願いは忘れてしまって
最初の願いが分かるときには、取り返しがつかなくなって
全てが終わりに向かう中で無垢に戻る(老人が子供のようになったり)

何かが出来るようになりたいと思うのも
最初の願いから生まれるけども
いろんなことが出来るようになったときに、最初の願いを覚えているかは別なんだよなぁ。

なんて考えてました。

だから、最後の最後で願いを思い出し
その部分だけを持って楽園に辿り着いたのは、確かにフォスにとっての救いであって
人の終わりにもあんな救いがあればいいな(というのを説いてるのが宗教なんだよね)という希望に満ちた終わり方で、とてもいい終わりだった。

でもあの終わりに行くためには、今までの辛い目に会わないといけない、というか
いろんな挫折があるからこその一生なんだろうな。
たとえいろんなことがあって、自分がすり減ってしまっても、

最後に残る部分があって欲しい。

——
画像をお借りしました。

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